「抵抗」「コンデンサー」「コイル」を使ったフィルター回路〔2〕(R-C)

前回は、「抵抗」2個の減衰回路を使って入出力波形やボード線図を描きましたが、今回は「抵抗」と「コンデンサー」のフィルター回路を使って、前回と同じような入出力波形やボード線図を描きます。

R-Cフィルター回路

「抵抗」と「コンデンサー」を使ったフィルター回路は下記になります。

このような構成のフィルター回路は、信号や電源などの高周波雑音を減衰する目的で使用され、ローパスフィルターなどとよばれます。

「波形」や「ボード線図」は、下記の値を使って描きます。

・電圧振幅(Vpeak):10V

・抵抗(R):1Ω

・コンデンサー(C):10μF(=0.00001F)

・周波数(f):0.1kHz ~ 1000kHz

波形の式に使う「角周波数:\(ω\) 」は、「周波数:\(f\) 」を使って「\(ω=2\pi f\) 」と表します。

フィルター回路の入力波形は「\(v_i(t)\) 」で、出力波形は「\(v_o(t)\) 」です。

前回の記事と同じように、「\(v_o(t)\) 」を「\(v_i(t)\) 」を使って表すと、下の式のようになります。

$$v_o(t)=\displaystyle\frac{v_i(t)}{R+Z_C} \times Z_C$$

前回の式と見比べると、「\(R2\) 」が「\(Z_C\) 」になっています。

最初の「\(\displaystyle\frac{v_i(t)}{R+Z_C}\) 」で「\(Z_C\) 」に流れる電流を計算して、その電流に「\(Z_C\) 」を掛けて「\(v_o(t)\) 」を求めています。

「\(Z_C\) 」はコンデンサーのインピーダンスで、下の式で表せます。

$$Z_C=\displaystyle\frac{1}{j \omega C}$$

この式の求め方は、下記の記事に書いていますので参考にしてください。

コンデンサーのインピーダンスの計算式「ZC=1/(jωC)」の求め方(1)

コンデンサーのインピーダンスの計算式「ZC=1/(jωC) 」の求め方(2)

それでは、上の式を変形していきます。

まず、右辺の「\(v_i(t)\) 」を、右端の「\(Z_C\) 」と入れ替えます。

$$v_o(t)=\displaystyle\frac{v_i(t)}{R+Z_C} \times Z_C$$

$$v_o(t)=\displaystyle\frac{Z_C}{R+Z_C} \times v_i(t)$$

この式から、フィルター特性\(:\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}\)は、下の式になります。

$$v_o(t)=\displaystyle\frac{Z_C}{R+Z_C} \times v_i(t)$$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{Z_C}{R+Z_C} $$

この式に「\(Z_C=\displaystyle\frac{1}{j \omega C}\) 」を入力して、「虚数:\(j\) 」を含む項と、含まない項に分けていきます。

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{Z_C}{R+Z_C} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{j \omega C}}{R+\displaystyle\frac{1}{j \omega C}} $$

右辺の分母と分子に、「\(j \omega C\) 」を掛けます。

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{1}{j \omega C}}{R+\displaystyle\frac{1}{j \omega C}} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1}{j \omega CR+1} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1}{1+j \omega CR} $$

次に、分母と分子の両方に「\(1-j \omega CR\) 」を掛けて、分母を「\(j\) 」を含まない「有理数」にします。(分母の有理化)

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{(1-j \omega CR)}{(1+j \omega CR)(1-j \omega CR)} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1-j \omega CR}{1^2-(j \omega CR)^2} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1-j \omega CR}{1-((j)^2 \times (\omega CR)^2)} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1-j \omega CR}{1-((-1) \times (\omega CR)^2)} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1-j \omega CR}{1-(-(\omega CR)^2)} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)}=\displaystyle\frac{1-j \omega CR}{1+(\omega CR)^2} $$

$$\displaystyle\frac{v_o(t)}{v_i(t)} =\displaystyle\frac{1}{1+(\omega CR)^2}-j\displaystyle\frac{\omega CR}{1+(\omega CR)^2} $$

この式を、周波数を変数にして計算すると、フィルターの入出力特性を表すボード線図を描くことができます。

時間が変数の出力波形は、「\(v_i(t)\) 」を右辺に移動した下の式に少し手を加えることで計算できます。

$$v_o(t)=\displaystyle\frac{1}{1+(\omega CR)^2} v_i(t) -j\displaystyle\frac{\omega CR}{1+(\omega CR)^2} v_i(t) $$

今回は、上の式を使って描いたフィルター回路の「入出力波形」と「ボード線図」を、次の項に貼り付けました。

「入出力波形」や「ボード線図」のグラフは、Excelを使って描きましたが、その方法は次回の記事に書く予定です。

R-Cフィルター回路の「入出力波形」「ボード線図」

今回は、「ボード線図」を先に示します。

前回の「抵抗」2個の減衰回路では、「減衰量」も「位相差」も周波数で変化しないので、赤と青の横線2本でした。

上の「ボード線図」を見ると、「位相差」の赤線は1kHz付近から変化し始め、「減衰量」の青線は5kHz付近から変化し始めます。

さらに「減衰量」は、50kHz付近から周波数が2倍になると振幅が半分(-6dB)になる「6dB/oct」の傾斜で「減衰量」が増えていきます。

この傾斜は一次傾斜とよばれ、周波数に対してインピーダンスがリニアに変化する部品が1個の場合はこの傾斜になります。

また、「位相差」の変化は-90degに近づいていっていますが、これも一次のローパスフィルターの特徴です。

ちなみにマイナスの「位相差」は、位相が遅れていることを示します。

上のボード線図で、周波数が0.1kHz、5kHz、10kHz、20kHz、50kHz、1000kHzのときの入出力波形を下に示しますので、振幅と、位相のずれを確認してください。

周波数が1000kHzだと、赤線の出力波形がよく見えないので、出力波形だけ縦軸を10倍にしたグラフを下に示します。

出力振幅は周波数が高くなると、「6dB/oct」の傾斜でどんどん小さくなっていきますが、「位相差」は周波数が高くなっても90degより大きくならないことが波形からも分かります。

これらの波形は、抵抗とコンデンサーの特性からイメージしやすいように思います。

また、このR-Cフィルター回路で、「抵抗値」と「コンデンサーのインピーダンス」の大きさが等しくなる周波数:\(f_C\)を、「遮断周波数」とか「カットオフ周波数」といい、その周波数では「減衰量:3dB」「位相差:45deg」になります。

その周波数:\(f_C\)を計算すると、下記になります。

$$R=\displaystyle\frac{1}{\omega_C C}$$

$$R=\displaystyle\frac{1}{2 \pi f_C C}$$

$$f_C=\displaystyle\frac{1}{2 \pi R C}$$

$$f_C=\displaystyle\frac{1}{2 \pi \times 1 \times 0.00001} = 15.9kHz$$

上の「ボード線図」を見ると、周波数:15.9kHz付近で「減衰量:3dB」「位相差:45deg」になっています。

次回は、今回の計算式から上の「ボード線図」をExcelで描く方法について書こうと思います。

よろしければ以下のバナーをクリックしていただけると励みになります!

にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村 科学ランキング
科学ランキング