交流電圧を加えたコンデンサーと抵抗に流れる電流〔1〕(電流波形と位相)
「周波数特性」と「dB」の記事は前回までで終え、今回からは交流電圧源に並列接続したコンデンサーと抵抗に流れる電流について書きます。
以前書いた抵抗、コンデンサー、コイルの記事
この話は、半年くらい前に書いた記事の続きなので、まず以前の記事の概要を書きます。
〔抵抗〕
今年の2月、交流電圧を加えた抵抗に流れる電流について書きました。
そのときの「回路図」、「抵抗に加えた交流電圧波形(青色)」、「抵抗に流れる交流電流波形(赤色)」は下記です。
ここで、電圧源の電圧値:100Vrms(電圧振幅:141V)、周波数:50Hz、抵抗の抵抗値:100Ωとしました。
抵抗の場合、交流の電圧波形と電流波形の位相差はゼロです。
〔コンデンサー〕
その後の今年3~4月には、交流電圧を加えたコンデンサーに流れる電流の記事を書きました。
想定した「回路図」、「コンデンサーに加えた交流電圧波形(青色)」、「コンデンサーに流れる交流電流波形(赤色)」は下記です。
コンデンサーの容量値は、周波数:50Hzで100Ωになるよう31.8μFにしました。
コンデンサーの電流波形は、電圧波形より位相が90度(π/2 ラジアン)進んでいることが分かります。
電流波形の計算式の導き方や、計算の方法は以前の投稿を見ていただくとして、計算式だけグラフの題名のところに書きました。
以前の記事は、電圧源や電流源に、「抵抗」、または「コンデンサー」、または「コイル」の内の一つを接続した内容でしたが、今回は「抵抗」と「コンデンサー」の二つを接続した場合の記事を書きます。
交流電圧源に抵抗とコンデンサーを接続
交流電圧源に「抵抗」と「コンデンサー」の二つの部品を接続した回路図を下に示します。
「抵抗」と「コンデンサー」の接続の組み合わせは複数ありますが、今回の回路では「抵抗」と「コンデンサー」が、それぞれ一つの電圧源「\(V(t)=V_{peak} \sin (\omega t) \) 」に直接つながっています。
そのため、電圧源に流れる電流は、抵抗とコンデンサーに流れる電流を単純に足し合わせた「\(I(t)_C+I(t)_R\) 」で計算できます。
ここでも電圧源の電圧値:100Vrms(電圧振幅:141V)、電圧源の周波数:50Hzとしますが、電流の振幅は「1.41A」ではなく、グラフで見やすい「1A」にしたいと思います。
そのため、抵抗の抵抗値:141Ω、コンデンサーの容量値:22.5μF(50Hzで141Ω)とします。
(※ 下のグラフと上の抵抗値・容量値が不一致だったので、2024/10/28に抵抗値と容量値を修正しました。申し訳ありません。)
回路図(① 抵抗、② コンデンサー、③ 抵抗とコンデンサー)
繰り返しになりますが、①~③の回路図を順番に並べます。
① 抵抗
② コンデンサー
③ 抵抗とコンデンサー
ちなみに共通の電圧源「\(V(t)=V_{peak} \sin (\omega t) \) 」の波形は下記です。
ここから先は「電圧源の波形は黒色」にします。
電流波形も「抵抗を流れる電流波形は青色」、「コンデンサーを流れる電流波形は赤色」、「二つを合わせた電流波形は紫色」にします。
電流波形(① 抵抗、② コンデンサー、③ 抵抗とコンデンサー)
前の項の①~③の回路図で、「① 抵抗」「② コンデンサー」「③ 抵抗とコンデンサー」に流れる電流波形と位相を下に示します。
① 抵抗
② コンデンサー
③ 抵抗とコンデンサー
左側の円座標は、電圧波形を基準にした電流波形の位相を表します。
「③ 抵抗とコンデンサー」の右側の電流波形は、振幅が1.41倍になっていますが、左側の円座標ではこの振幅変化は表していません。
ただ、近いうちに極座標を使って振幅と位相の両方を表す予定です。
これら、3つの電流波形を一つのグラフに描くと下のようになります。
今回、注目していただきたいのは、これまで位相は0度(0 ラジアン)と、90度(π/2 ラジアン)の進み、または遅れだけでしたが、今回は中間の45度(π/4)が出てきた点です。
今後は、さらに細かい位相差について書いていく予定です。
また、今回は①~③の個々の電流波形を描きましたが、今後は省略して、複数の電流波形を一つのグラフに描いていこうと思います。
個々の電流グラフなどを描くと、それに結構時間がかかって話の進みが遅くなるためです。
もし、分かりづらいなと思われた方は「お問合せ」からご連絡ください。
電圧と電流の波形(① 抵抗、② コンデンサー、③ 抵抗とコンデンサー)
ここまで書いたあとでは蛇足かもしれませんが、今回は電圧と電流の波形を一つのグラフに描いた絵も作成したので一応貼りつけておきます。
① 抵抗
② コンデンサー
③ 抵抗とコンデンサー
今後、もし電圧と電流の波形の関係が分からなくなった時には、この波形の絵を参考にしてもらえればと思います。
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