超音波式加湿器の使い方を考えました。

これまで超音波加湿器は100円ショップで購入したものを使っていましたが、近所のお店の閉店セールで超音波式加湿器を半額で売っていたので、ついにちゃんとした超音波式加湿器を購入しました。

超音波式加湿器の懸念点

超音波式加湿器を使用するうえで心配なことは下記になります。

超音波式加湿器のメリット、デメリットを調べると、上に書いたようなデメリットを見かけます。

これらの懸念点について、調べてみました。

加湿器の中の雑菌類

最初に加湿器の中の雑菌ですが、これは水道水の中の塩素を一定値以上に維持できていれば問題ないようです。

水道水には塩素(次亜塩素酸ナトリウム)が投入されていて、水道法では蛇口の出口で「残留塩素濃度を0.1mg/L以上」にすることと定められているそうです。

水道水の残留塩素濃度が0.1mg/L以上なら、菌など微生物の細胞膜を破壊して死滅させると書かれていました。

一方で、残留塩素濃度が高くなると塩素臭(カルキ臭)が強まるので、厚生労働省水道水質基準では「目標値:1.0mg/L以下」とされています。

また、WHOの飲料水水質ガイドラインでは健康への影響が出ない濃度を「5.0mg/L以下」としているようです。

下に「千葉県のおいしい水づくりの取組と成果」というページに書かれていた情報を貼り付けておきます。

一番上の「残留塩素」ですが、千葉県の「計画における水質目標」は「0.1~0.4mg/L」ですが、実績値は少し高めです。

浄水場から一番離れた家庭の蛇口でも、「残留塩素」を「0.1mg/L以上」にする必要があるので、「残留塩素」は少し高めに設定されているように思います。

次に、蛇口から超音波式加湿器に注いだ水道水の残留塩素濃度がどのように減少するかですが、下記のデータが「キョーリン」さんのwebページに書かれていました。

この表の2項のデータから、24時間放置すると残留塩素濃度は半分程度に減少しますが、それでも殺菌効果は期待できると思います。

これらの情報から、タンク内とタンク下の本体にたまっている水を一日に一度は全てすてて空にし、そのあとタンク内に蛇口から水道水を入れれば、水道水の塩素で加湿器内は殺菌できると考えます。

ミネラル成分の白い粉

次に、水道水のミネラル成分が白い粉になって部屋の中に広がるのをどうするかです。

この対策は、少し大変と思います。

このミネラル成分は、カルシウムやマグネシウムなどです。

「水質基準項目」のミネラル成分に関する記載を下に貼り付けました。

もし水道水に100mg/Lのミネラルが含まれていると、1日3Lの加湿を行うと1か月で9gのミネラル成分が部屋に広がることになります。

室内をただよったままで、屋外に排気されるミネラル成分もあると思いますが…。

ちなみに、我孫子市の水道水の水質検査結果(平成28年)をみつけたので下に貼り付けます。

ミネラル成分はこの表の「硬度」なので、71.5mg/Lです。

さて、このミネラル成分を取り除くためには、なんらかのフィルターに水道水を通す必要がありますが、自分が調べた結果を下の表にまとめます。

この結果を見ると、加湿器に使用する水は「軟水器」を通した水が良いように思えます。

ただ、調べていると「軟水器」には塩素も除去するものも結構あるようなので、しっかりと調べる必要があると思います。

また、加湿器に使用できるような「軟水器」は、自分が探した範囲では見当たりませんでした。

「軟水器」にはシャワー用や家まるごとのようなものが多いようです。

「純水器」や「精製水器」にはポット式のものもあり、それなりに使えそうな気はしますが雑菌を死滅させる塩素も除去してしまうので、「加湿器用除菌剤」を入れる必要があると考えます。

もし自分が白い粉の対策をとるなら、「純水器」+「加湿器用除菌剤」の組み合わせかなと思います。

まとめ

現在、加湿器の中に残った水は毎晩洗濯機に入れて空にし、水道水でゆすいだタンクに水道水を入れています。

水道水に含まれる塩素が加湿器の中を除菌してくれているはずなので、加湿器用除菌剤は不要と思います。

ミネラル成分の白い粉の拡散については、超音波式加湿器を使い始めて2週間経過しましたが気になるようなことはないので、当面は水道水をそのまま使おうと思います。

ただ、超音波式加湿器から出るミストで机の上などが濡れると、濡れた場所が乾いたときに白いミネラル成分が付着してなかなか拭き取れなくなります。

これを回避するためには空気中でミストが気化し、白いミネラル成分には空気中で細かい粉末の状態になってもらう必要がありますので、湿度が45%を超えたときには弱運転にするか運転を停止し、周囲が濡れないようにしています。

余談です

よく水まわりで白く固着したものを「カルキ」といいますが、現在の水道水には通常「カルキ」は入っていません。

「カルキ」は「次亜塩素酸カルシウム」で、ドイツ語の「クロールカルキ」が語源になっているそうです。

「カルキ」は現在もプールの水の消毒などに使用されているようですが、現在の水道水の消毒には通常「次亜塩素酸ナトリウム」が使用されていて、こちらは白い固着物を発生させることはないようです。

水まわりで白く固着しているものは、ここで書いたようにカルシウムなどのミネラル成分です。

この固着の発生を防いだり、肌荒れや髪のパサつきを抑えるために家の水を全て軟水にする「家庭用軟水器」という製品もあります。

どれだけ効果があるのかは未確認ですが…。

ただ、導入や管理にはかなりの費用が発生するので、もし将来試してみるとしてもシャワーくらいかなと思います。

あと何回か、加湿器について書こうと思います。

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