電気回路_コイルのエネルギー〔4〕

これまで、直流の電圧源や電流源に対して抵抗、コンデンサー、コイルがどのような動作をするかについて書きましたが、直流に関しては今回でとりあえず最後にしようと思います。

コンデンサーのエネルギーと水の位置エネルギー

「コンデンサーのエネルギー〔7〕」の投稿で、コンデンサーに蓄えられるエネルギーは、円柱の容器に入れた水の位置エネルギーに似ていると書きました。

これは個人的なイメージです。

円柱の容器に、上の端まで水を入れたときのイメージ図を下に示します。

円柱の容器にためた水の位置エネルギー:\(W\)(仕事)は下の式で計算できます。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}mgh$$

計算式に使用している記号の説明を下に書いておきます。

\(m\):水の質量

\(g\):重力加速度で約\(9.8m/s^2\)です。

\(h\):ドラム缶の底面から水面までの高さです。

次に、コンデンサーに電荷をためたイメージ図を下に示します。

コンデンサーにためた静電エネルギー:\(W\)(仕事)は下の式で計算できます。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}CV^2=\displaystyle\frac{1}{2}QV$$

実際のコンデンサーの構造イメージ図を下に示します。

図の中に「電界の強さ」の式が書いてあります(カッコ内は単位)が、これを変形すると、\(V=Ed\) になるので、これを先ほどの式に入れると下のようになります。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}QV=\displaystyle\frac{1}{2}QEd$$

水の位置エネルギーの式をもう一度下に書いて、上の式と比較します。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}mgh$$

上の二つの式の中で、何と何が対応しているのかを下の表に書きました。

表の下に書いたように、位置エネルギーの「質量」と「重力加速度」をかけると力になりますが、静電エネルギーの「電荷量」と「電界の強さ」をかけても力になります。

力の単位はN(ニュートン)です。

重力場で、質量から力を受けるのはイメージしやすいですが、電場で、電荷量から力を受けるのは少しイメージしにくいですが‥。

それぞれその力に、力の向きへの移動距離をかけるとエネルギー(仕事)になります。

エネルギー(仕事)の単位はJ(ジュール)です。

二つの式を見比べると、静電エネルギーって位置エネルギーっぽいなと自分は思っています。

運動エネルギーのおさらい

ここからコイルのエネルギーの話を書こうと思いますが、まずは比較する運動エネルギーをおさらいしておきます。

運動エネルギー:\(W\) (仕事)の計算式は下記になります。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2$$

運動エネルギーの計算式で使用する質量:mは、「慣性質量」になります。

位置エネルギーの計算式で使用した質量:mは、「重力質量」でした。

ただ、この二つの質量は同じ値になるので、特に区別せずに「質量」として扱うようです。

「慣性質量」と「重力質量」は別物のはずですが、同じ値になるということは根っこのところでつながっているのかもしれません。

「慣性質量」が小さいものは動かしやすく、止めやすいということになります。

「慣性質量」が大きいものは動かしにくく、止めにくいということになります。

これも、運動エネルギーの計算式「\(\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)」のイメージ通りと思います。

コイルのエネルギーと運動エネルギー

さて、それでは本題のコイルの話です。

コンデンサーに蓄えられるエネルギーは「静電エネルギー」ですが、コイルに蓄えられるエネルギーは「磁気エネルギー」です。

自分は大学のとき、「電磁気学」で学んだことがあまり頭の中にイメージできず、理解できないことが多々ありました。

自分の場合、ものごとを事象としてイメージできないとダメみたいです。

ということで、自分は「磁気エネルギー」についてあまり理解できていないので、コイルのエネルギーについてはおおざっぱに書きます。

コイルに電流が流れている様子のイメージ図を下に示します。

コイルの磁気エネルギー:\(W\)(仕事)の計算式は下記になります。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}LI^2$$

運動エネルギー:\(W\) (仕事)の計算式は下記でした。

$$W=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2$$

コイルの場合、電圧の急な上げ下げは容易ですが、電流の急な増減は大変です。

その理由は、コイルに流れる電流には「慣性質量」のようなものが働くためと考えています。

この電流に発生する「慣性質量」のようなものは、コイルに電流が流れることによって生じる「磁場」で発生するイメージです。

コイルに電流が流れると、コイルのインダクタンス:\(L\)(単位はHでヘンリー)と電流:\(I\)に比例する磁束が発生し、それが「磁場(磁界)」を生じさせます。

その「磁場(磁界)」の中で電流が流れると、電流は「慣性質量」のようなものをもつという理解です。

このことから、磁気エネルギーの式のインダクタンス:\(L\)は、運動エネルギーの式の「慣性質量」:\(m\)に相当すると、自分はイメージしています。

次に磁気エネルギーの式の電流:\(I\)です。

電流:\(I\)の単位は「A(アンペア)」ですが、「A(アンペア)」は1秒間に何C(クーロン)の電荷が流れたかを表す単位なので、単位は「C/s(クーロン_パー_セカンド)」でもあります。

このことから電流:\(I\)は、運動エネルギーの速度:\(v\)に相当すると考えられると思いますが、ちょっと飛躍しすぎでしょうか。

速度:\(v\)の単位も「m/s(メートル_パー_セカンド)」なので、まぁイメージとしては近いかなと思います。

もう少し突き詰めると、理屈的にすっきりさせることができるかもですが、自分はとりあえずイメージとして、コイルの磁気エネルギーは運動エネルギーっぽいと思っています。

交通安全標語に「車は急にとまれない」というものがありますが、コイルにおいては「電流は急にとまれない」というイメージをもっておくと、コイルを使った回路を読み解くときに役立つかもしれません。

長くなりましたが、コンデンサーとコイルの直流に関する投稿は、とりあえず今回で終了します。

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