電気回路_コイルのエネルギー〔1〕

今回からは、コイルに蓄えられたエネルギーの計算方法について書いていきます。

コイルのエネルギーの単位

以前は、コンデンサーのエネルギーの計算方法を書きましたが、今回はそのコイル版です。

コイルのエネルギーの単位も、コンデンサーのエネルギーや運動エネルギー、位置エネルギーと同じで、単位は「J(ジュール)」です。

1J(ジュール)の定義は、「1N(ニュートン)の力がその力の方向に物体を1m(メートル)動かすときの仕事」とされています。

ちょっと分かりづらい表現ですね。

まず、1N(ニュートン)の力とは「1kg・m/s²」のことなので、地球上の重力加速度:9.8m/s²で考えると、質量:0.102kgのモノを手のひらにのせたときに、手のひらが受ける力が1N(ニュートン)になります。

なので、地球上で考えると0.102kgのモノを1m持ち上げるのに必要なエネルギーが1J(ジュール)になります。

コイルのエネルギーを求める手順

最初に、どうやってコイルのエネルギーを計算する式を求めるかを書きます。

その方法はいくつかありますが、今回はコイルがエネルギーを蓄えるときの電力を使って計算します。

エネルギーと電力の関係を単位で表現すると、電力の単位は「W(ワット)」ですが、同時に「J/s(ジュール_パー_セカンド)」とも表せます。

この単位から分かるように、電力に時間をかけるとエネルギーになるので、このかけ算を使ってコイルのエネルギーを計算していきましょう。

今回の手順で使用する回路図は下記になります。

左の〇と↑は「電流源」の記号で、この「電流源」は下のグラフに示すように、時間とともに電流が変化するものとします。

「電流源」の電流はゼロから始まり、その後一定の傾斜で電流がを増えていき、最後は再び電流が一定になるものとします。

このときのコイルの電圧をグラフに追加すると、下のグラフのようになります。

この電圧と電流から電力を計算し、それに時間をかけてコイルに蓄えられるエネルギーを計算します。

次回は、コイルのエネルギーを計算する式を具体的に求めていきます。

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