100円ショップで買った超音波式加湿器の修理(2)
100円ショップで550円の超音波式加湿器を3年連続で購入しましたが、また調子が悪くなったので修理しました。
調子が悪くなった超音波式加湿器
550円の超音波式加湿器の購入は3台目ですが、結果的に3台中2台でMicro USB起因の不具合が発生しました。
数10回使用した頃に、ミストが出なくなることがありましたが、Micro USBの接続部付近を触ると動作します。
しばらくUSBコードを下から支えるなどし、ごまかしながら動作させていましたが、「直流と交流の違い」が一応完結したので、分解して修理してみることにしました。
超音波式加湿器の動作原理(推測)
前回と同じですが、今年購入した超音波式加湿器の外観を下に示します。
Micro USBの端子配置は、修理が終わってから調べましたが最初に確認しておけばよかったと少し後悔しました。
この加湿器の下側は水を入れるタンクの役割で、実際に加湿しているのは上のフタの部分なので、さっそくネジを外して分解した画像を下に示します。
銀色に光っている部分が「圧電素子」で、ここに下から水を供給すると上からミストを噴出します。
動作原理は下記のようなものと考えています。
USBから供給された+5Vの電源電圧は、基板に実装されているコイルなどで構成される昇圧回路に供給され、10V~20Vくらいに昇圧されます。
昇圧された電圧は、「圧電素子」におそらく数10kHzのパルス電圧として加えられていると思います。
圧電素子の中央部付近にはとても細かい穴があり、下のタンクからその穴に水が供給されるのですが、圧電素子は加えられた電圧に応じて伸縮するので、その細かい穴に水が入ったり噴き出たりすることを繰り返します。
そうすることで、上部からミストを噴出していると思います。
でも、今回はUSB端子の問題と思いますので、回路の調査は行っていません。
超音波式加湿器の修理
それではさっそく、USB端子のはんだ付け部を確認してみます。
画質は悪いのですが、下にマイクロスコープの画像を示します。
左側がMicro USBコネクタの全体画像で、右側が端子の拡大画像です。
この右側の画像を見ると「+5V」端子のはんだにクラックが見えますが、PC画面上で見ている時には「D+」端子にだけはんだクラックが見えました。
電源端子ではないと思ったのですが、とりあえず「D+」端子のはんだクラックを補修しました。
補修後の画像を下に示します。
これでいったん組み立てて動作確認したところ、まったく改善しませんでした。
そこで、もう一度分解して、両脇の端子もはんだ付けし直した画像が下記になります。
これで、また組み立てて動作確認したところ、正常に動作しました。
最初に端子配置などを調べておけば、2度手間にならずに済んだなと少し反省しました。
Micro USBで給電するタイプの製品は、ハンディファンなども含めてMicro USBのトラブルが多いように思います。
修理するときにははんだ付け作業が必要になりますので、今回のように給電しながら使用する製品の場合、給電コードをさしっぱなしにしておき、その先で挿抜するようにした方が良いかもしれません。
特にMicro USBのコネクタの抜き差しが固いときは、注意が必要と思います。
加湿器の効果は?
ところで、この550円で買った超音波式加湿器で、部屋の湿度をどのくらい上げることができるのか考えてみます。
自分は寝室でこの加湿器を使用しているのですが、部屋の面積は9m²、高さは2.5mなので部屋の容積は22.5m³です。
ここで、容積1m³の空気中に何gの水蒸気が含まれているのかを下の表に示します。
例えば室温が20℃で、容積1m³の空気中に17.2gの水蒸気が含まれていると湿度が100%です。
そのため、容積22.5m³の部屋の湿度が100%のときの水蒸気量は17.2g/m³✕22.5m³=387gです。
つまり、部屋の容積が22.5m³で室温が20℃のとき、湿度1%に相当する水蒸気量は387g÷100%=3.87g/%になります。
550円の超音波式加湿器の加湿量は1時間当たり30㎖なので、水蒸気量としては30gです。
寝室はそれほど空気の流れが無いので、寝室全体の空気が入れ替わる時間を1時間と仮定すると、30g÷3.87g/%=7.752%となるので、部屋の湿度を7~8%くらい上昇させてくれる効果が期待できます。
まぁ、ちょうどよいくらいかなと思います。
ただ、部屋の湿度が高い時に使用すると、周囲が濡れてしまうのが難点です。
音の静かなファンでミストを部屋全体に広げると、もっといい感じで加湿できると思いますが、今後の課題です。
* 昨年の修理記録の記事はこちらです↓↓
「 100円ショップで買った超音波式加湿器の修理 」 2022.3.26
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