トルクと回転数と出力(馬力/仕事率)と位置エネルギーのはなし(3)

前回の(2)の投稿では、エンジンのトルクと回転速度から出力パワー(仕事率:W)を計算しましたが、今回は(馬力:PS)を計算します。

下の絵はエンジンに取り付けた円盤の外周にヒモを巻き付け、それにぶら下げた13.4kgの荷物を持ち上げるイメージです。

(2)では、このイメージで出力パワー(仕事率:W)を計算しましたので、上のグラフから読み取った数値と計算で求めた結果を下に示します。

・最高出力パワー:119 PS(馬力)

・最高出力時のトルク:13.4 kgf・m

・最高出力時の回転速度:6360 rpm(回転/分)

・トルクと回転数から計算した最高出力パワー:87.5 kW

それでは、馬力を計算で求めてみようと思いますが、「PS(仏馬力)」と「HP(英馬力)」の定義は下記になります。

PS(仏馬力):75kgfの重量を1秒間に1m引き上げる時の仕事率

HP(英馬力):550lbfの重量を1秒間に1ft引き上げる時の仕事率

※ lbはポンドで1lb=0.453 592 37kg。ftはフィートで1ft=0.3048m。

日本では通常、質量や長さの単位に「kg」や「m」を使用しているので、馬力の単位としてPS(仏馬力)が使用されているようです。

この「PS」の馬力を計算してみます。

まず仕事率「W」は計算済なので、WとPSの換算値を計算して馬力「仏馬力」を求めてみます。

「1PS(仏馬力)」は、1秒間に75kgの質量を1m引き上げる仕事率とあるので、これを計算式にすると下記になります。

1(PS)= {75(kg)× 9.80665(m/s²)× 1(m)}÷ 1(s)≒ 735.5(W)

質量「kg」と重力加速度「m/s²」と高さ「m」を掛けると仕事「kgm/s²・m = J」になり、それを時間で割るので単位は「J/s = W」になります。

余談ですが「kgm/s² = N」で、これに引き上げる高さを掛けると単位は「N・m=J」になりますが、トルクの単位も見た目は「N・m」で同じですが「=J」とはなりません。

トルクの単位の「N・m」の「m」は半径で、引き上げる高さではないためです。

この半径:r「m」から引き上げる高さ:h「m」を求めるためには、まず「2π」を掛けて1回転で引き上げる高さ:2πr「m/回転」を求め、これに回転数「回転」を掛ける必要があります。

これを計算すると「2πr(m/回転)× 回転数(回転)= 引き上げる高さ(m)」になるので、この場合は「N・m=J」となります。

回転数「回転」を、回転速度「回転/s」にすると、「N・m/s = J/s = W」になります。

話を元に戻して、馬力「PS(仏馬力)」を計算してみます。

(2)で計算したエンジンの最高出力パワーは87.5kWだったので、これを先ほど求めた735.5W/PSで割ってみます。

最高出力馬力(PS)= 87.5(kW)÷ 735.5(W/PS)= 87.5(kW)÷ 0.7355(kW/PS)≒ 119(PS)

119PSは、グラフから読み取った馬力と同じ数字になりました。

定義から馬力を一気に計算することも可能です。少し荒っぽい感じですが・・。

最高出力馬力(PS)={13.4(kgf)× 666(m/s)}÷{75(kgf)× 1(m/s)}(1/PS)≒ 119(PS)

式の中の(1/PS)は、1PSの定義が「75kgfの重量を1秒間に1m引き上げる時の仕事率」なので、{75(kgf)× 1(m/s)}のあとに(1/PS)の単位をつけました。

結果は同じ、119馬力(PS)になりました。

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