自然数から複素数、複素平面へ〔1〕

一般的な交流電源や、交流信号の回路において、電圧と電流の関係を計算するためには、やはり複素平面が必要と思うので、自然数を出発点にして複素数、複素平面の話を書いておこうと思います。

はじめに

自分は、数学の「厳密さ」についてあまり理解していないので、イメージ的な説明になると思いますが、「自然数」から「複素平面」までの話を書いてみます。

まず今回は、「自然数」から「実数」まで書きます。

「自然数」

まず「自然数」ですが、よく「2個のリンゴ」と「3個のリンゴ」を一つのカゴに入れると「5個のリンゴ」になるといった説明がされる数字です。

これは、自然にイメージできると思います。

直線上に自然数を青い点でプロットすると、下のようになります。

「自然数」+「0」

次は、「自然数」に「0」が加わります。

「0」が数字として扱われるようになったのは、6世紀頃のインドと言われています。

「0」を数字として扱うことで「\(0+3=3\) 」「\(2 \times 0=0\) 」といった計算ができるようになります。

直線上に「自然数」と「0」を青い点でプロットすると、下のようになります。

「整数」

次は「マイナスの数」が加わります。

紀元前1世紀頃の中国では、木の小さな棒を使って「マイナスの数」の計算が行われていたようですが、「マイナスの数」が西洋で広く受け入れられていったのは、17世紀頃のようです。

「-2個のリンゴ」というのはイメージしづらいのですが、最初は「借金」を表す数字として広まっていったようです。

下に描いたように、直線上に「マイナスの数」を表すと、少しイメージしやすいかもしれません。

これで、「\(2 \times (-3)=-6\) 」や「\((-2) \times (-3)=6\) 」といった計算ができることになりました。

直線上に「マイナスの数」「0」「自然数」を、青い点でプロットしましたが、これが「整数」になります。

「有理数」

次は「有理数」です。

「有理数」は、「整数」を「整数」で割り算した数字です。

任意の二つの「整数」を「\(N1\) 」と「\(N2\) 」とすると、「有理数\(=\displaystyle\frac{N1}{N2}\) 」で表せます。

ちなみに「整数」を「整数」で割ると、その計算結果は割り切れるか、循環小数になります。

例えば「\(\displaystyle\frac{3}{13} =0.230769230769230769230 \cdots \) 」だと、「\(076923\) 」の部分が循環しています。

自分が気づいたのは数年前で、グラフの時間軸を計算するときに『計算結果がいつも循環小数になるなぁ』と不思議に思っていたら、そういうものだと後で知りました。

「有理数」というか「分数」は、紀元前17世紀頃には使われていたようですが、やはりイメージしやすく、実用的な数字だったのだと思います。

一方、「分数」ではなく「小数」が使い始められたのは、紀元前ではない16世紀頃からだそうです。

ずいぶん時間が経ってからだったのですね。

「整数」に「分数」を加えた「有理数」を、下に青いプロットで示します。

「実数」

普通の数字の最後は「実数」です。

「有理数」に、整数の「分数」では表せない「無理数」を加えたのが「実数」です。

「有理数」は、上に書いたように飛び飛びの数字なので、「有理数」のすき間を「無理数」が埋めます。

よく使われる「無理数」は、「\(\pi =3.1416 \cdots \) 」や「\(\sqrt 2 =1.4142 \cdots \) 」などで、小数点以下が循環せず無限に続く数字です。

「有理数」に「無理数」を加えた「実数」を、下に青いプロット…というか、線で示します。

ここまでが、実態のある数字です。

次回は英語で「imaginary number(想像上の数)」と表現される「虚数」や「複素数」、「複素平面」について書こうと思います。

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