コンデンサーのインピーダンスの計算式「\(Z_C=1/(jωC)\)」の求め方(1)

今回も前回のコイルと同様、交流電圧源の『電圧』と、それに接続した「コンデンサー」と「抵抗」に流れる『電流』を使って、コンデンサーのインピーダンスを計算する式を求めてみます。

使用する回路

使用する回路は、前々回の投稿「電流や電力などの「極座標」を「複素平面」で表示〔2〕(抵抗とコンデンサー)」で使用した下の回路です。

「抵抗」や「コンデンサー」なども、前々回と同じ下記とします。

・電圧振幅\((V_{peak}):141V\)(実効値:\(100V_{rms}\) )

・抵抗値\((R):100Ω\)

・容量値\((C):18.37μF\)(マイクロファラッド)

・周波数\((f):50Hz\)(角周波数:\(\omega=2\pi f\) )

コンデンサーの容量値は、このあとの計算の都合で小数点二桁目まで記載しました。

電流の計算式

「交流電圧源」に流れる電流(抵抗とコンデンサーに流れる電流)の値は、前々回の投稿に書いた下記になります。

$$I=1.0+j0.577 $$

この電流値を複素平面上に表すと、下記になります。

この電流の値は、2024年3月に投稿した「コンデンサーに加えた交流電圧・電流〔1〕(交流電流をコンデンサーに印加)」で求めたコンデンサーのインピーダンスの大きさを計算する式「\(\displaystyle\frac{1}{\omega C}\)」を使って、下の式で求まります。

$$I=\displaystyle\frac{V}{R}+j\displaystyle\frac{V}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C}\right)}$$

この式は、上の複素平面の縦軸と横軸の電流を足し合わせた式です。

「\(R\) 」と「\(C\) 」に流れる電流の計算式がシンプルなのは、「\(R\) 」と「\(C\) 」が直接電圧源に接続されているので、「\(R\) 」と「\(C\) 」に流れる電流はお互いに影響を与えることなく、電流値を個別に計算することができるからです。

「\(R\) 」と「\(C\) 」が直列接続だと、それぞれに流れる電流がお互いに影響を与えるので個別に計算できなくなり、電流を計算する式は複雑になります。

さて、話を戻して上の計算式で電流値を計算します。

まず、「角周波数:\(\omega\) 」を、「周波数:\(f\) 」で表します。

$$I=\displaystyle\frac{V}{R}+j\displaystyle\frac{V}{\left(\displaystyle\frac{1}{(2 \pi f)C}\right)}$$

次に、具体的な電圧値などを入れて、電流値を計算します。

$$I=\displaystyle\frac{100}{100}+j\displaystyle\frac{100}{\left(\displaystyle\frac{1}{(2 \pi \times 50)18.37\times 10^{-6}}\right)}$$

$$I=1.0+j\displaystyle\frac{100}{\left(\displaystyle\frac{1}{(100 \pi)18.37\times 10^{-6}}\right)}$$

$$I=1.0+j\displaystyle\frac{100}{\left(\displaystyle\frac{1}{18.37 \pi \times 10^{-4}}\right)}$$

$$I=1.0+j(100(18.37 \pi \times 10^{-4}))$$

$$I=1.0+j(18.37 \pi \times 10^{-2})$$

$$I=1.0+j(57.7 \times 10^{-2})$$

$$I=1.0+j0.577 $$

最初に書いた複素数の電流値になりました。

上の複素平面のグラフに、電流の計算式を青字で追記しておきます。

「抵抗」と「コンデンサー」のインピーダンスの計算式

それでは、電流と電圧から、インピーダンスの計算式を求めます。

まず、「電圧=電流✕インピーダンス」の式を下に示します。

$$V=I \times Z$$

「\(Z\) 」は、インピーダンスを表す記号です。

この式を使って、インピーダンスの計算式を求めていきます。

$$V=I \times Z$$

$$Z=\displaystyle\frac{V}{I} $$

上の式の「\(I\) 」に、\(\left(I=\displaystyle\frac{V}{R}+j\displaystyle\frac{V}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C}\right)}\right)\)を入れます。

$$Z=\displaystyle\frac{V}{\displaystyle\frac{V}{R}+j\displaystyle\frac{V}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C}\right)}} $$

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R}+j\displaystyle\frac{1}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C}\right)}} $$

上の式の右下の\(\left(j\displaystyle\frac{1}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C} \right)} \right)\)の分子と分母に\(\left(\displaystyle\frac{1}{j}\right)\)を掛けます。

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R}+j\displaystyle\frac{\left(\displaystyle\frac{1}{j}\right)}{\left(\displaystyle\frac{1}{\omega C} \right) \left(\displaystyle\frac{1}{j} \right)}} $$

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R}+\displaystyle\frac{\left(\displaystyle\frac{j}{j}\right)}{\left(\displaystyle\frac{1}{j \omega C}\right)}} $$

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R}+\displaystyle\frac{1}{\left(\displaystyle\frac{1}{j \omega C}\right)}} $$

この式の変形は、ここで止めておきます。

「\(Z_C\)」の計算式

回路図をもう一度下に貼りつけますが、「\(R\) 」の下に「\(Z_R\) 」、「\(C\) 」の下に「\(Z_C\) 」を追記しました。

「\(Z_R\) 」は抵抗のインピーダンス(レジスタンス)、「\(Z_C\) 」はコンデンサーのインピーダンス(リアクタンス)で、この回路図の「A-B 」から右側を見た合成インピーダンス「\(Z\) 」は、「\(Z_R\) 」と「\(Z_C\) 」の並列接続なので下の式で表せます。

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{Z_R}+\displaystyle\frac{1}{Z_C}} $$

この式は、2022年9月に投稿した「電気回路_抵抗〔1〕直列接続と並列接続」の並列接続の式で、「抵抗:\(R\) 」を「インピーダンス:\(Z\) 」に置き換えたものです。

下に、前の項の最後の式を貼り付けて、上の式と見比べます。

$$Z=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R}+\displaystyle\frac{1}{\left(\displaystyle\frac{1}{j \omega C}\right)}} $$

そうすると、「\(Z_R\) 」と「\(Z_C\) 」は下記になることが分かります。

$$Z_R=R$$

$$Z_C=\displaystyle\frac{1}{j \omega C}$$

この二つが、抵抗とコンデンサーのインピーダンスの計算式です。

コンデンサーのインピーダンスの計算式は、\(\left(Z_C=-j\displaystyle\frac{1}{\omega C}\right)\)でも良いように思いますが、上の式の方がプラスかマイナスかを迷う必要がないので覚えやすく、シンプルで良いと思っています。

ちなみに、コイルのインピーダンスもコンデンサーのインピーダンスも両方リアクタンスと言いますが、区別する場合は、コイルの方を「誘導性リアクタンス」、コンデンサーの方を「容量性リアクタンス」と言います。

前回同様、コンデンサーのインピーダンスの計算式の求め方としては少し怪しいと思われるかもしれないので、コイルやコンデンサーのインピーダンスを計算する式の、一般的な求め方も書いておこうと思います。

まずは次回、コイルについて書こうと思います。

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