コイルのインピーダンスの計算式「\(Z_L=j \omega L\) 」の求め方(2)
「\(Z_L=j \omega L\) 」の求め方という題名ですが、今回はそこまで書けませんでした。今回は、その投稿を書くための準備になります。
複素数で表す交流電圧や交流電流の瞬時値
コイルやコンデンサーのインピーダンスの計算式を求める準備として、交流電圧や交流電流の瞬時値を複素数で表す方法について、複素平面のグラフを使いながら書いていきます。
今回使う複素平面のグラフは、これまでの実効値や位相を表す複素平面のグラフに似ていますが、実態は異なります。
今回の複素平面のグラフは、時間の経過とともに反時計回りに回転して、「時間:\(t\) 」での電圧や電流の瞬時値を表します。
「周波数:\(50\) Hz」の正弦波で、「一周期:\(20\)ms」で繰り返す波形を想定して書いていきます。
経過時間:0ms@50Hz
下の図は、交流の電圧値や電流値が、時間でどう変化するかを、複素平面上に表したグラフです。

左上の紫色の円が、電圧や電流の値の変化を複素平面上に表したグラフです。
この円は「半径:1」の単位円なので、この「単位円の式:\(\cos(\omega t)+j\sin(\omega t)\) 」に、「電圧振幅:\(V\) 」や「電流振幅:\(I\) 」を掛けると、交流の電圧値や電流値の変化を表す式になります。
上のグラフの太線の位置は、「経過時間:\(t=0\)ms」の値を表しているので、「電圧振幅:\(1V\)」の電圧のグラフとすると、この電圧の値は下の式で求まります。
$$v(t)=1(V)\times (\cos (\omega t) +j\sin (\omega t)) $$
「電圧振幅:\(1V\) 」を省略して、「\(\omega = 2 \pi f\) 」を入れて書き直します。
$$v(t)=\cos (2 \pi ft) +j\sin (2 \pi ft) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」を入れます。
$$v(t)=\cos (2 \pi f\times 0) +j\sin (2 \pi f\times 0) $$
$$v(t)=\cos (0) +j\sin (0) $$
$$v(t)=1 +j0 $$
「経過時間:\(t=0\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(1V\)」、「虚軸:\(0V\)」になります。
「実軸」の変化の様子は下側に青い線で、「虚軸」の変化の様子は右側に赤い線で表しました。
経過時間:1.67ms@50Hz
次に、「経過時間:\(t=1.67\)ms」の電圧値を下のグラフに示します。

先ほどのグラフと同じように、「経過時間:\(t=1.67\)ms」のところを太線にしました。
「経過時間:\(t=1.67\)ms」時の複素平面の太線位置の角度:\(\theta\)は、下のように計算できます。
$$\theta=\omega t$$
$$\theta=2 \pi f t$$
$$\theta=2 \pi \times 50 \times 0.00167$$
$$\theta=0.167 \times \pi (rad) $$
$$\theta=0.167 \times 180 (deg) =30 (deg) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」と同じように、「経過時間:\(t=1.67\)ms」のときの電圧の値を計算すると下記になります。
$$v(t)=\cos (\omega t) +j\sin (\omega t) $$
「\(\omega t\) 」に、上で計算した「\(30 deg\)」を入れます。
$$v(t)=\cos (30) +j\sin (30) $$
$$v(t)=0.866 +j0.5 $$
「経過時間:\(t=0.167\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(0.866V\) 」、「虚軸:\(0.5V\) 」になります。
経過時間:5ms@50Hz
次に、「経過時間:\(t=5\)ms」の電圧値を下のグラフに示します。

先ほどのグラフと同じように、「経過時間:\(t=5\)ms」のところを太線にしました。
「経過時間:\(t=5\)ms」時の複素平面の太線位置の角度:\(\theta\)は、下のように計算できます。
$$\theta=\omega t$$
$$\theta=2 \pi f t$$
$$\theta=2 \pi \times 50 \times 0.005$$
$$\theta=0.5 \times \pi (rad) $$
$$\theta=0.5 \times 180 (deg) =90 (deg) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」と同じように、「経過時間:\(t=5\)ms」のときの電圧の値を計算すると下記になります。
$$v(t)=\cos (\omega t) +j\sin (\omega t) $$
「\(\omega t\) 」に、上で計算した「\(90 deg\)」を入れます。
$$v(t)=\cos (90) +j\sin (90) $$
$$v(t)=0 +j1 $$
「経過時間:\(t=5\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(0V\) 」、「虚軸:\(1V\) 」になります。
経過時間:10ms@50Hz
次に、「経過時間:\(t=10\)ms」の電圧値を下のグラフに示します。

先ほどのグラフと同じように、「経過時間:\(t=10\)ms」のところを太線にしました。
「経過時間:\(t=10\)ms」時の複素平面の太線位置の角度:\(\theta\)は、下のように計算できます。
$$\theta=\omega t$$
$$\theta=2 \pi f t$$
$$\theta=2 \pi \times 50 \times 0.01$$
$$\theta=1 \times \pi (rad) $$
$$\theta=1 \times 180 (deg) =180 (deg) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」と同じように、「経過時間:\(t=10\)ms」のときの電圧の値を計算すると下記になります。
$$v(t)=\cos (\omega t) +j\sin (\omega t) $$
「\(\omega t\) 」に、上で計算した「\(180 deg\)」を入れます。
$$v(t)=\cos (180) +j\sin (180) $$
$$v(t)=-1 +j0 $$
「経過時間:\(t=10\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(-1V\) 」、「虚軸:\(0V\) 」になります。
経過時間:15ms@50Hz
次に、「経過時間:\(t=15\)ms」の電圧値を下のグラフに示します。

先ほどのグラフと同じように、「経過時間:\(t=15\)ms」のところを太線にしました。
「経過時間:\(t=15\)ms」時の複素平面の太線位置の角度:\(\theta\)は、下のように計算できます。
$$\theta=\omega t$$
$$\theta=2 \pi f t$$
$$\theta=2 \pi \times 50 \times 0.015$$
$$\theta=1.5 \times \pi (rad) $$
$$\theta=1.5 \times 180 (deg) =270 (deg) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」と同じように、「経過時間:\(t=15\)ms」のときの電圧の値を計算すると下記になります。
$$v(t)=\cos (\omega t) +j\sin (\omega t) $$
「\(\omega t\) 」に、上で計算した「\(270 deg\)」を入れます。
$$v(t)=\cos (270) +j\sin (270) $$
$$v(t)=0 +j(-1) $$
「経過時間:\(t=15\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(0V\) 」、「虚軸:\(-1V\) 」になります。
経過時間:20ms@50Hz
次に、「経過時間:\(t=20\)ms」の電圧値を下のグラフに示します。

先ほどのグラフと同じように、「経過時間:\(t=20\)ms」のところを太線にしました。
「経過時間:\(t=20\)ms」時の複素平面の太線位置の角度:\(\theta\)は、下のように計算できます。
$$\theta=\omega t$$
$$\theta=2 \pi f t$$
$$\theta=2 \pi \times 50 \times 0.02$$
$$\theta=2 \times \pi (rad) $$
$$\theta=2 \times 180 (deg) =360 (deg) $$
「経過時間:\(t=0\)ms」と同じように、「経過時間:\(t=20\)ms」のときの電圧の値を計算すると下記になります。
$$v(t)=\cos (\omega t) +j\sin (\omega t) $$
「\(\omega t\) 」に、上で計算した「\(360 deg\)」を入れます。
$$v(t)=\cos (360) +j\sin (360) $$
$$v(t)=1 +j0 $$
「経過時間:\(t=20\)ms」での電圧の瞬時値は、「実軸:\(1V\) 」、「虚軸:\(0V\) 」に戻ります。
それでは、次回こそは今回の式を使って、コイルのインピーダンスの計算式を求めようと思います。
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