電気回路_抵抗〔1〕直列接続と並列接続

助走期間が長くなりましたが、そろそろ本格的に電気電子回路の投稿を始めようと思います。

まずは電気回路を中心に書いていこうと思いますが、学生のときに表現に従って、抵抗、コンデンサ、コイルといった受動部品で構成した回路を電気回路とよびます。

トランジスタやICなどの能動部品を使用した回路を、ここでは電子回路とよびます。

こう書くと、電気回路の方が簡単そうと思われるかもですが、なかなか奥が深く、自分も本当に理解できているとは思っていません。

今でもいろいろな切り口で理解しようとしていますが、現時点でこう理解するのが一番分かりやすいのではと思っている内容を書きます。

その中では分かりやすい、抵抗について何回か書いてみます。

まずは電池と抵抗だけの電気回路です。

電池の電圧:E(V)と抵抗:R(Ω)と電流:I(A)の関係式ですが、これはオームの法則で下記の関係があります。

$$E(V)=I(A)×R(Ω)$$

この式は、電圧と抵抗から電流を求める式に書き換えたり、電圧と電流から抵抗を求める式に書き換えることができます。

$$I(A)=\displaystyle\frac{E(V)}{R(Ω)}$$

$$R(Ω)=\displaystyle\frac{E(V)}{I(A)}$$

次は、抵抗2本を直列に接続した電気回路です。

このR1(Ω)とR2(Ω)を合わせた抵抗値がどのよう表せるかを求めます。

この回路では、R1とR2に同じ電流:I(A)が流れます。

また、R1の両端の電圧とR2の両端の電圧を足すとE(V)になります。

このことは、下の計算式で表せます。(単位や「×」は省略します。)

$$E=IR1+IR2$$

IR1やIR2は、I×R1やI×R2のことで、掛け算の「×」を省略した書き方です。

右辺(「=」の右側の式)を、共通の「I」でくくります。

$$E=I(R1+R2)$$

上の方に下の式がありました。

$$R(Ω)=\displaystyle\frac{E(V)}{I(A)}$$

電圧を電流で割ると抵抗値になるので、この形に変形します。

$$(R1とR2を合わせた抵抗)=\displaystyle\frac{E}{I}=R1+R2$$

この結果から、直列に接続した2本の抵抗を合わせた抵抗値は、単純な足し算で求まることが分かりました。

次は2本の抵抗の並列接続した電気回路です。

このR1(Ω)とR2(Ω)を合わせた抵抗値がどのよう表せるかを求めます。

まず、R1とR2に流れる電流I1とI2の足し算がIになることを式にすると下記になります。

$$I=I1+I2$$

次に、I1とI2をEとR1、R2を使って式で表すと下記になります。

$$I1=\displaystyle\frac{E}{R1}$$

$$I2=\displaystyle\frac{E}{R2}$$

この二つの式を、上の式のI1とI2に代入します。

$$I=I1+I2=\displaystyle\frac{E}{R1}+\displaystyle\frac{E}{R2}$$

ここでは右辺を共通の「E」でくくります。

$$I=I1+I2=E(\displaystyle\frac{1}{R1}+\displaystyle\frac{1}{R2})$$

今回も下の式を使って2本の抵抗を合わせた抵抗値を求めます。

$$R(Ω)=\displaystyle\frac{E(V)}{I(A)}$$

$$(R1とR2を合わせた抵抗)=\displaystyle\frac{E}{I}=\displaystyle\frac{E}{E(\displaystyle\frac{1}{R1}+\displaystyle\frac{1}{R2})}=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R1}+\displaystyle\frac{1}{R2}}$$

抵抗3本以上の場合の式を求める手順は省略しますが、n本の抵抗を並列接続した場合の抵抗値は下の計算式になります。

$$(抵抗n本を並列接続した抵抗値)=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R1}+\displaystyle\frac{1}{R2}+\displaystyle\frac{1}{R3}+…+\frac{1}{Rn}}$$

この辺りの計算は問題ないと思います。

あと、上の計算式を立てる時にはオームの法則だけでなく、キルヒホッフの第一、第二法則を使っています。

(第一法則)回路網中の任意の接続点に流入する電流の和は0(零)である

(第二法則)回路網中の任意の閉路を一巡するとき、起電力の総和と電圧降下の総和は等しい

第一法則は「I=I1+I2」に、第二法則は「E=IR1+IR2(=E1+E2)」に使用しています。

第二法則の方は「E1=IR1、E2=IR2」の「E1、E2」を省略したので、少し分かりづらかったかもしれません。

このキルヒホッフの法則は「当たり前のことでは…」と思われるかもしれませんが、回路が複雑になると少し意識することが増えるように思います。

参考までに、抵抗の並列接続と直列接続を組み合わせたときの計算式を下の図に示します。

最初に、R1とR2の並列接続の抵抗値を求めます。

次に、R3を加えます。

次回も同じ抵抗を組み合わせた計算に関する内容を書いてみようと思います。

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