電気回路_抵抗〔6〕ブリッジ回路(テブナンの定理_前半)
テブナンの定理を使って、不平衡ブリッジ回路に流れる電流値を計算で求めます。
今回の計算で求める電流値
今回は、テブナンの定理を使って下の不平衡ブリッジ回路の「I₅」の電流値を計算で求めます。
テブナンの定理の「V₀」を計算
「R5」に流れる電流「I₅」を求めるために、前回の投稿「テブナンの定理の使い方」に書いたように、まずは「R5」を取り外したときのCとBの間の電圧「V₀」を計算します。
少しおさらいしておくと、上の回路を下の回路のようにシンプルな等価回路にして、そこに「R₅」を取り付けて「I₅」を計算します。
もう一度、上の回路図を下に置きますが、ひし形部分を四角形にした回路図をその下に描きました。
この回路図の「Vc」と「Vb」を求めて引き算すれば、「V₀」が求まります。
最初に「Vc」を計算してみましょう。
$$Vc=\displaystyle\frac{E}{R1+R3}×R3=\displaystyle\frac{27}{2+3}×3=16.2(V)$$
「E」を「R1+R3」で割って「R1+R3」に流れる電流を求め、それにR3を掛ければ「Vc」が求まります。
同様にして「Vb」を計算します。
$$Vc=\displaystyle\frac{E}{R2+R4}×R4=\displaystyle\frac{27}{1+1}×1=13.5(V)$$
「Vc-Vb」を計算して「V₀」を求めます。
$$V₀=Vc-Vb=16.2-13.5=2.7(V)$$
テブナンの定理の「R₀」を計算
次に等価回路の「R₀」を求めます。
最初の回路図をもう一度下に置きます。
この回路図から「R₅」を取り外し、下の電池(定電圧源)を「0Ω」の配線に置き換えて、CとBの間の抵抗値を計算します。回路図は下のようになります。
C-B間の抵抗値の計算をするときにイメージしやすいよう、回路図を下のように変形します。
さらに、回路図を下のように変形すると、C-B間の抵抗「R₀」は「R1」と「R3」、「R2」と「R4」の並列抵抗を計算して、足し合わせれば求まることが分かります。
「R₀」を計算します。
$$R_0=\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R1}+\displaystyle\frac{1}{R3}}+\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{1}{R2}+\displaystyle\frac{1}{R4}}=\displaystyle\frac{R1R3}{R3+R1}+\displaystyle\frac{R2R4}{R4+R2}$$
$$=\displaystyle\frac{2×3}{3+2}+\displaystyle\frac{1×1}{1+1}=\displaystyle\frac{6}{5}+\displaystyle\frac{1}{2}=\displaystyle\frac{12+5}{10}=1.7(Ω)$$
「V₀」「R₀」「R5」から「I₅」を計算
計算して求めた「V₀」「R₀」を使って、「I₅」を計算します。
$$I_5=\displaystyle\frac{V_0}{R_0+R5}=\displaystyle\frac{2.7}{1.7+1}=\displaystyle\frac{2.7}{2.7}=1(A)$$
テブナンの定理を使って、不平衡ブリッジ回路の真ん中の抵抗に流れる電流値「I₅」を求めました。
ここから一気に「I₁~I₄」を求めていくのですが、奥さんから1回の投稿が長すぎて読みづらいと指導をうけたので、それは次回書こうと思います。
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