「両対数グラフ」の縦軸を「dB」で表示(1)

前回は、交流電圧を加えたコンデンサーに流れる電流の振幅が、周波数でどう変化するかを「両対数グラフ」で表しましたが、今回から縦軸を「dB」で表すことについて書いていきます。

両対数グラフの縦軸を等間隔で表す

「dB」表示については追い追い説明するとして、まずは前回の「両対数グラフ」を下に示します。

縦軸の「10.0A」「1.0A」「0.1A」の値は、グラフの縦軸に等間隔になっているので、仮に「1.0A」を基準の「0」にして、「10.0A」を「1」、「0.1A」を「-1」と表してみます。

箇条書きにすると下記になります。

・10A  :10倍  ⇒  「1」

・1A  :基準  ⇒  「0」

・0.1A :0.1倍 ⇒ 「-1」

このように、ある値を基準にして、例えばその10倍を「1」、10000倍を「4」のように表すと、何十倍に増えたり、何十分の一に減ったりするような、大きな比率で増減する数字が扱い易くなります。

次の項では、このように表示する方法をグラフを使いながら説明します。

ただ、縦軸が「電流振幅」などの物理量だと話がややこしくなるので、一度「電流振幅」から離れて、一般的な数字で話を進めます。

両対数グラフの縦軸を等間隔にする方法

ここでは、両対数グラフの縦軸を下のように「100倍」を「2」、「0.01倍」を「-2」で表す方法を考えます。

・・・

100倍  ⇒ 「2」

10倍    ⇒ 「1」

基準   ⇒ 「0」

0.1倍  ⇒ 「-1」

0.01倍  ⇒ 「-2」

・・・

まずは、左側に並べた数字で両対数グラフを描くと下記になります。

横軸と「\(x\) 」、縦軸を「\(y\) 」として、青い線は「\(y=x\) 」になります。

このグラフの縦軸で、「1」を基準の「0」にして、100を「2」、0.01を「-2」でグラフを描くと下記になります。

このグラフでは、青い線を「\(y=f(x)\) 」としましたが、この縦軸の値には、下の赤字に示す10の「指数」(赤の値)を使いました。

・・・

100 = 102  ⇒ 「2

10 = 101    ⇒ 「1

1 = 100   ⇒ 「0

0.1 = 10-1  ⇒ 「-1

0.01 = 10-2  ⇒ 「-2

・・・

「100」から「2」、「1」から「0」を計算で求めるには、「底(てい)」が10の「対数関数」を用います。

「100」のときの「対数関数」は「\(\log_{10}100=2\) 」、「1」のときは「\(\log_{10}1=0\) 」になり、「\(\log\) 」の右下の「\(_{10}\) 」が「底」です。

「\(\log_{a}b\) 」は、「\(a\) 」を何乗すれば「\(b\) 」になるかを教えてくれます。

「底」が「\(_{10}\) 」の場合、「\(_{10}\) 」を省いて「\(\log100 = 2\) 」や「\(log1 = 0\) 」と書くことが一般的と思います。

上のグラフの「\(y=f(x)\) 」を「\(y=\log x\) 」に書き換えると下のグラフになります。

この「対数関数」を使うことで、最初のグラフの縦軸「0.01~100」を「-2~2」と表すことができました。

次回は、このグラフの縦軸を「dB」で表示することについて書こうと思います。

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