電気回路_コンデンサーのエネルギー〔2〕

前回の投稿で「水槽の中の水」と「コンデンサーの中の電荷」が似ていると書きましたが、今回は「位置エネルギー」と「静電エネルギー」の共通点をもう少し掘り下げてみます。

「重力場」と「電場(電界)」

地上の「重力場」で1kgの質量の重りを手に乗せると9.8Nの力が手に加わりますが、それと同様に「電場」に「電荷」を置くと「電荷」に力が加わります。

「電場」と同じ意味の言葉に「電界」があり、自分は普段「電界」という言葉を使うので「電界」で記事を書きます。

「電界」を下の図で説明します。

この絵にはいろいろ詰め込んだので、「電界」の説明に使用するところだけを抜き出した絵を下に示します。

この絵は、上の絵の2枚の板を横から見た絵です。

2枚の板の間に電位差があると、その2枚の板の間には「電界」が発生します。

2枚の板の間には「+」から「-」に向かって「電気力線」が伸びていると考えます。

「磁界」で「N極」から「S極」に伸びる「磁力線」と同じイメージです。

2枚の板の間には「V(V)」の電位差があるので、下の板の電位を「0(V)」とすると、上の板の電位は「V(V)」で、2枚の板の間の電位は下の図の右に描いたグラフに示すように、上の板に近づくほど電位は「V(V)」に近づきます。

右に描いたグラフの縦軸は下の板からの距離で、横軸はその位置での電位です。

この右のグラフの傾斜が「電界の強さ」や「電界強度」とよばれ、「\(E=\displaystyle\frac{V}{d}\)」で計算できて単位は「\(\displaystyle\frac{V}{m}\)」です。

電荷が受ける力

それでは、「電界」に「電荷」を置いたときに「電荷」が受ける力を計算します。

「電界」で「電荷」が受ける力は、「電界」と「電荷」の掛け算で求まります。

力を「\(F\)」、電荷を「\(Q\)」、電界の強さを「\(E\)」とすると計算式は下記になります。

$$F=QE$$

力の単位はニュートン:\(N=kg・m/s^2\)なので、\(1V/m\)の強さの電界中に置いた\(1C\)の電荷には\(1N\)の力が加わります。

この電荷に加わる力から、静電エネルギーを求めてみます。

位置エネルギーから求める静電エネルギー

前回の投稿で、1ジュール(J)の仕事の「位置エネルギーの定義」を下のように書きました。

「1ニュートンの力がその力の方向に物体を1メートル動かすときの仕事」

この定義から、仕事(エネルギー)の計算式は、力を「\(F\)」、移動距離を「\(d\)」とすると下記になります。

$$仕事=Fd$$

この式に\(F=QE\)を入れて計算していきます。

$$仕事=Fd=QEd=Q\displaystyle\frac{V}{d}d=QV$$

この計算の結果は、前回使用した\(静電エネルギー=QV\)と同じ式です。

前回の投稿では、仕事(エネルギー)を表す記号に「\(E\)」を使用しましたが、今回は電界の強さに「\(E\)」を使用したので「仕事」としています。

今回は、「電荷に加わる力」と「位置エネルギー」の考え方から「静電エネルギー」の式を求めました。

次回は、これに関連する話をもう少し続けたいと思います。

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