電気回路_コイルの動作【直流】〔4〕

前回までは、コイルに定電圧源や定電流源を接続すると電圧や電流がどう変化するかを書いたので、今回はまとめとしてコンデンサーとの比較を含めて整理します。

コンデンサーやコイルに、定電圧源や定電流源を接続したときの電圧と電流の変化(まとめ)

コンデンサーとコイル、定電圧源と定電流源を組み合わせた4種類の回路図と、その時の電圧(青色)と電流(赤色)の変化を表すグラフを下に示します。

グラフが小さいのですが、次の項ではもう少し大きなグラフを並べて説明するので、ここでは全体的なイメージを説明します。

図の左半分が定電圧源、右半分が定電流源で、左から順にコンデンサー、コイル、コンデンサー、コイルの順になっています。

グラフは上下2列ありますが、上側の列は定電圧源や定電流源を接続して、少し時間が経過したあとの電圧(青色)や電流(赤色)の様子です。

下側の列は、定電圧源や定電流源を接続した瞬間からの電圧(青色)や電流(赤色)の変化を表しています。

それでは、左から順番に電圧と電流の変化を見ていきます。

コンデンサーに定電圧源を接続しても電流は流れ続けませんが、接続した瞬間には大きな電流が流れます。

コイルに定電圧源を接続すると、理想的なコイルであれば、一定の傾斜:ΔI/Δt=E/L(アンペア/秒)で電流が増えていきます。

コンデンサーに定電流源を接続すると、理想的なコンデンサーであれば、一定の傾斜:ΔV/Δt=I/C(ボルト/秒)で電圧が上昇していきます。

コイルに定電流源を接続すると、理想的なコイルの両端の電圧は0V(ゼロボルト)ですが、定電流源を接続した瞬間には大きな電圧が発生します。

上の関係式で使用した記号の説明を書いておきます。

E:定電圧源の電圧値で単位はV(ボルト)

L:コイルのインダクタンスで単位はH(ヘンリー)

I:定電流源の電流値で単位はA(アンペア)

C:コンデンサーのキャパシタンスで単位はF(ファラッド)

Δt:短い時間を意味しており、例えば経過時間1.0秒から1.1秒までの間の0.1秒間など

ΔI:Δtの間に変化する電流値で、例えば1.0Aから1.1Aの間の0.1Aなど

ΔV:Δtの間に変化する電圧値で、例えば1.0Vから1.1Vの間の0.1Vなど

グラフを見ると、両端2つのグラフが似た外観で、内側2つのグラフの外観も似ています。

次項では、これら外観の似た2つのグラフを並べて比較します。

右端と左端のグラフを比較

4種類並んでいたグラフの左端と右端を並べると下のようになります。

「コイル」ー「定電流源」と、「コンデンサー」ー「定電圧源」のグラフを比べると、一見同じように見えます。

ただ、よく見ると電圧(青色)と電流(赤色)のトレースが左右のグラフで逆になっていることが分かります。

コイルとコンデンサーでは、電圧と電流が入れ替わるような動きをすることを覚えておいてください。

中央側2つのグラフを比較

次に、4種類並んでいたグラフの内側2つを並べると下のようになります。

「コイル」ー「定電圧源」と、「コンデンサー」-「定電流源」のグラフを比べると、こちらも一見同じように見えます。

ただよく見ると、こちらも電圧(青色)と電流(赤色)のトレースが左右のグラフで逆になっていることが分かります。

今回は定電圧や定電流だけではく、初期電圧:0Vから定電圧源:「E」Vに接続した瞬間や、初期電流:0Aから定電流源:「I」Aに接続した瞬間についても書きました。

まだ少し先になりますが、今後は電圧や電流が常に変化する場合についても書く予定なので、そのときには、今回の電圧と電流の関係を参考にできると思います。

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