直流と交流の違い〔3〕(sinθ と cosθの説明)
電圧が変化する交流電源「\(V_{AC}\)」の最大値が「+\(1.41✕V_{DC}\)」、最小値が「-\(1.41✕V_{DC}\)」になることをこれから計算していきますが、その最初のステップとして、まずは「\(V_{AC}\)」を表す式を求めます。
「VAC」を表す式とは?
下の画像は前回の投稿で使用したグラフで、DC100VとAC100Vの電圧が、時間の経過でどう変化するか(しないか)を描いたものです。
DC100Vの青い線は「\(V_{DC}=100V\)」、AC100Vの赤い線は「\(V_{AC}=100V\)」を表します。
「\(V_{DC}\)」の電圧は時間が経過しても100Vですが、「\(V_{AC}\)」の電圧は時間とともに変化するので、それを表す記号として「\(V_{AC}(t)\)」を使用します。
ここでの「\(t\)」は、経過時間です。
「\(V_{AC}\)」は交流の電圧値(正確には実効電圧値)ですが、「\(V_{AC}(t)\)」は時間が「\(t\)」経過した瞬間の電圧値です。
「\(V_{AC}(t)\)」は0m秒では0V、5m秒では+141V、10m秒では0V、15m秒では-141V、20m秒では0Vと変化します。
今回求めるのは、この「\(V_{AC}(t)\)」を表す式です。
AC100Vの電圧変化「VAC(t)」を表す式
まずは「\(V_{AC}(t)\)」の最大値を「+1」、最小値を「-1」として考えてみます。
下に、3つのグラフの画像を貼り付けたので、順番に説明していきます。
まず、右上のグラフですが、これはAC100Vの電圧の変化のグラフと同じ形をしています。
違いは、最大値と最小値が「+1」と「-1」になっている点と、横軸が「経過時間」ではなく「角度」になっている点です。
右上のグラフの赤い線が上下する動きは、左上に描いた円グラフの上下方向の動きと、角度を介して一致します。
二つのグラフには、角度が60度のときの位置を書き込みました。
一方、左下のグラフの黒い線は、上下ではなく左右に動いており、こちらも左上に描いた円グラフの左右方向の動きと、角度を介して一致します。
こちらにも、角度が60度のときの位置を書き込みました。
左上の円グラフの円の半径は「1」で、横軸と縦軸が交差している原点が中心になっており、単位円とよばれます。
この単位円で、右方向を基準に反時計回りに角度が変化すると、上下方向も左右方向も値は「+1」から「-1」の間で変化します。
仮に縦軸を「\(y\)」、角度を「\(\theta\)」とすると、「\(y\)」と「\(\theta\)」の関係は下の式で表せます。
$$y=\sin\theta$$
「\(\sin\)」は「サイン」、「\(\theta\)」は「シータ」とよぶので、「\(\sin\theta\)」は「サインシータ」とよびます。
同様に横軸を「\(x\)」とすると、「\(x\)」と「\(\theta\)」の関係は下の式で表せます。
$$x=\cos\theta$$
「\(\cos\)」は「コサイン」とよぶので、「\(\cos\theta\)」は「コサインシータ」とよびます。
「\(V_{AC}(t)\)」を式で表すには、この「\(\sin\theta\)」を使えば良さそうです。
ただ、「\(V_{AC}(t)\)」の式を求めるには、もう少し考える必要がありそうなので、続きは次回書こうと思います。
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