直流と交流の違い〔6〕(交流の式:Vpeak sin(ωt))

「直流と交流の違い〔3〕」で、「まずは「\(V_{AC}(t)\) 」を表す式を求めます。」と書いてずいぶん経ちましたが、今回はその式を求めます。

説明に使用する絵について

今回も、前回と同じような絵を使いますが、少し違います。

まずは左の円座標ですが、前回は「半径:1」の単位円でしたが、今回は「半径:約141V」の電圧の円座標です。

それに伴い、右側のグラフの縦軸も電圧になります。

「VAC( t ) 」を「時間:t 」で表す式

さて、「\(V_{AC}(t)\) 」を「時間:\(t\) 」で表す式ですが、「直流と交流の違い〔3〕」では縦軸を「\(y\) 」、横軸を「\(θ\) 」にして下の式が使えそうと書きました。

$$y=\sin\theta$$

この式は、左下の円座標の単位円の「縦軸:\(y\) 」の変化を、「横軸:\(\theta\) 」で表した右下のグラフの式になります。

この式の「\(\theta\) 」を、前回の投稿で書いた「角周波数:\(\omega (=2\pi f)\) 」と「時間:\(t\) 」で表すと下記になります。

$$y=\sin (\omega t) $$

次に、電圧が変化するAC100Vの最大値と最小値の振れ幅を「\(V_ {peak}\) 」とし、これを上の式の両辺に掛けると下記になります。

$$V_{AC}(t)=V_ {peak} \sin (\omega t) $$

これが、右下のグラフの縦軸「\(V_{AC}(t)\) 」を「時間:\(t\) 」で表す式です。

この式が合っているかを確認するために、具体的な数字を入れて「\(V_{AC}(t)\) 」を計算してみます。

例えば、「経過時間:\(10ms=0.01s\) 」のときの「\(\omega t\) 」は下記になります。

$$\omega t=2\pi ft=2\pi✕50✕0.01=2\pi✕0.5=\pi$$

(\(f\):AC100Vの周波数 ⇒ 東日本は50Hz)

「\(\omega t\) 」に「\(\pi\) 」を入れて「\(V_{AC}(t)\) 」を計算すると下記になります。

$$V_{AC}(t)=V_ {peak} \sin (\pi) =141✕0=0(V) $$

「\(\omega t\) 」が「\(1\) rad(ラジアン)」のときの「\(V_{AC}(t)\) 」も計算してみます。

$$V_{AC}(t)=V_ {peak} \sin (1) =141✕0.84147… =119(V)$$

二つの計算結果は、右上のグラフの縦軸の電圧値と一致しています。

次回からは、この「\(V_{AC}(t)=V_ {peak} \sin (\omega t) \) 」の式を使って「\(V_ {peak}\) 」が「約141V」になることを求めていこうと思います。

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