100円ショップで買った超音波式加湿器の修理〔3〕(動かなかったときの対応まとめ)

100円ショップで買った超音波式加湿器も既に三代目になりましたが、先日使おうとしたら1台も動かなかったので、そのときの対応をまとめました。

micro USB-基板間のはんだ付け不良

最初はいつもパターンですが、micro USBの端子と基板のはんだ付け部分が外れていました。

+5V側の端子は、上に反って完全に浮いているように見えます。

0V側の端子は、微妙ですが基板から少し浮いて見えます。

この画像はマイクロスコープで撮影しているので、見た目には簡単にはんだ付けできそうですが、自分のはんだごてのこて先は太めなのでちょっと大変でした。

製品に接続したUSBコードを上下に動かして、動いたり動かなかったりするときは、おそらくはんだ付けが外れていると思います。

ちなみに、手元に基板が3枚ありますが、2枚の基板ではんだ付けが外れていました。

修理ははんだごてが無いと難しいので、まずははんだ付けが外れないよう、USBコードは極力本体に取り付けまま使用した方が良いと思います。

本体にUSBコードを挿抜するときは、はんだ付けに大きな力が加わるためです。

押しボタンの操作方法の間違い

さて、基板にしっかり+5Vの電圧が加わったので、これで動くと思ったのですが、押しボタンを押しても動作しません。

押しボタンスイッチの故障も疑いましたが、押しボタンを押すと下の回路図の左の方の四角いICの3番端子が+5V→0Vに変化したので、スイッチは大丈夫です。

それでも動作しなかったので、最初はICの中のメモリーに書かれているプログラムが一部消えたのではと思いました。

その後、会社の昼休み中に職場の人に「押しボタンを押すとちゃんと電流が増えて‥」と、押しボタンを押したままにしながら説明していると、なんとLEDが点灯しました。

この製品は、ボタンを長押し(2~3秒)すると動き始めるということを、すっかり忘れていました。

製品によって、長押しや2回押しなど、操作方法が異なる可能性があるので、動かないときには試してみてください。

USB Type-Aプラグの接触不良

次は、USB給電コードのUSB Type-Aのコネクタの接触不良です。

100円ショップで購入した製品に付いていたUSB Type-Aとmicro USBの給電コードを使い、USB電源から製品に給電しましたが、まだ動作しません。

会社の給電コードだと動いたので、これは給電コードに問題があると考えました。

これまで何度か経験していますが、USB Type-Aは接触不良が起きやすいイメージです。

今回は、USB Type-Aのプラグを何度か抜き差しすることで通電するようになりました。

しばらく使っていなかったので接触部分にホコリが付いたか、電極に酸化膜ができたことで接触抵抗が大きくなったのだと思います。

念のため、USB Type-Aのプラグとレセプタクルに、下の画像の「接点復活剤」を吹きかけて、拭き取っておきました。

これはもう何年も前に購入したものですが、先日もマウスのホイールの動きがおかしくなった時に、これをマウスの中の「ロータリーエンコーダー」という回転を検出する部品に吹きかけたところ、とりあえず問題なく動くようになりました。

今回は、そこまでする必要はないかなと思いましたが、普段はこの「接点復活剤」を使う機会もないので使ってみました。

これで、何とか普通には動作するようになりました。

ただ、少しミストの勢いが弱い気がしたので、ミストが噴き出す圧電振動子をクリーニングすることにしました。

圧電振動子のクリーニング

ミストは、この銀色に光る圧電振動子から噴き出します。

ミストが噴き出す小さな穴が見えるよう、下から光をあててマイクロスコープで拡大した画像を下に示します。

ちょっとショッキングな画像ですが、周囲の白いものは水道水に含まれているミネラル成分(主にカルシウム)だと思います。

それより、ほこりがたくさん付着しているのがちょっとショックでした。

使わないときは、上にラップをかぶせたりしていたんですが…。

とりあえず、小さな穴に付着したミネラル成分を減らすため、ヨーグルトのフタにクエン酸水を30㏄くらい入れて傾け、圧電振動子を5時間くらい浸しました。

そのあと、歯ブラシで優しくブラッシングして流水ですすいだあとの画像が下になります。

周囲の白いミネラル成分はあまり取れませんでしたが、ミストが噴き出す小さな穴はきれいになったように見えます。

クエン酸水で洗浄する前と後で、1時間当たりのミスト発生量を測定したところ、「洗浄前は30㏄」でしたが、「洗浄後は46㏄」まで回復していました。

買ったころは50㏄くらいだったと思いますので、洗浄の効果はあったようです。

周りを暗くして、ミスト発生部を真上から撮影した画像もつけておきます。

穴の開口具合にばらつきはありますが、ちょっと夜空に輝く星みたいできれいに見えました。

これからの季節、リビングにはちゃんとした加湿器を置きますが、寝室はこの加湿器を弱運転(間欠運転)させるくらいで十分なので、今年も活躍してもらおうと思います。

ちなみに、この圧電振動子は壊れやすいので、ブラッシングするときは優しくお願いします。

実は過去にもクエン酸水で洗浄しようとして、周りの半透明のカバーを外そうとしたときに圧電振動子にひびを入れてしまいました。

今回は、半透明のカバーはつけたままで洗浄しました。

皆さんも、分解したときには気をつけてください。

消費電力

最後に、消費電力がどのくらいか書いておきます。

この加湿器には、LEDのイルミネーションがついているのですが、このLEDを点灯したときと消灯したときの消費電力を書いておきます。

下は、ちょっと見づらいですがミストを出しているときの画像です。

左がLEDが点灯、右がLEDが消灯したときの様子で、USBメーターで電流を測定しました。

この電流値に電圧値を掛け算して、計算した消費電力は下記です。

LED点灯時の消費電力:1.30W

LED消灯時の消費電力:0.95W

これを見ると、LEDを消灯したときの方が電力消費はかなり抑えられています。

ただ、LEDもずっと点灯しているのではなく、色と明るさが変化していて、左上の画像は一番明るく点灯しているときなので、平均するとLED点灯時の消費電力も1.15Wくらいにはなると思います。

さて、次回はまた抵抗とコンデンサーの話に戻ります。

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